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モロッコ情勢

国内政治

立憲君主制。元首は国王。国王が軍の最高司令官,宗教上の最高指導者であり,首相及び閣僚の任命権を持つ。

モハメッド6世国王は1999年7月に即位。前国王の政策を継承する一方で大胆な人事刷新を行い,新体制を固めた。貧困,雇用,教育といった国民に軸足を置いた政策を重視し,国民の人気を集めている。

議会

二院制で,衆議院議員は直接選挙(比例代表制),参議院議員は間接選挙(地方議会議員等の互選)で選ばれる。衆議院は395議席で任期5年,参議院は120議席で任期6年。30を超える政党が存在。1998年から2007年までは左派の人民勢力社会主義同盟(USFP),2007年から2011年までは保守派のイスティクラル党(PI),2012年からはイスラム派の公正と発展党(PJD)が第一党として連立内閣を結成。

最近の動き

2011年初頭より,チュニジアやエジプトで起こった政変の影響を受け,モロッコでも民主化を求める抗議行動が活発化。フェイスブックで集まった若者を中心とした「2月20日運動」が定期的に全国一斉デモを組織するなどした。これを受けて,国王は自らの権限を縮小する憲法改正を提案。2011年7月に新憲法が発布された。

憲法改正に伴い,2012年に予定されていた衆議院選挙を2011年11月に前倒しして実施。変化を求める国民の声が反映された結果,長年野党の座に留まってきたイスラム穏健派,国家主義の「公正と発展党(PJD)」が議席の27%を得て勝利した。国王はPJD党首のベンキラン氏を首相に任命。2012年1月に発足した内閣は,保守派3党(PJD,イスティクラル党(PI),人民運動党(MP)),左派1党(進歩社会主義党(PPS))の連立与党となった。

2013年5月,PIが連立与党を離脱。交渉の末,新たに独立国民連合(RNI)を連立与党に加えた新内閣が10月10日発足。

2016年10月7日,衆議院選挙実施。PJDが議席数を伸ばして勝利。国王はPJD党主のベンキラン氏を首相に任命したが,組閣が難航し,2017年3月,ベンキラン氏への首相指名を取り下げ,エル・オトマニ氏(PJD)を新たに首相として指名。各党との連立協議の結果,PJDはRNI,MP,USFP,立憲同盟(UC)及びPPSと共に新内閣を組閣した。