安全対策
海外安全対策情報(定期報告:平成29年7月~9月期)
1.治安情勢及び一般犯罪の傾向
- (1) シリア,イラク及びリビアの紛争地域に渡航したモロッコ国籍者は約1,600名に上り,うち約800名がこれらの地でISILに参加したと言われていることからもモロッコ当局はモロッコ人帰還兵による国内でのテロの実施を警戒しています。このような状況を受け,2014年11月以降,空港等の主要施設周辺においては,警察に加え,軍もテロ警戒任務に就いています。
- (2) 2015年11月13日に発生したパリ連続テロ事件を踏まえ,モロッコ当局は更に警戒監視態勢を強化し,特に外交団,観光スポット及び国境等の警戒を強めています。また,2016年3月22日に発生したブリュッセルにおけるテロ事件を踏まえ,国内の各空港における警戒監視を更に強化しています。
モロッコ当局によるテロ細胞の摘発は引き続き行われていますが,当国におけるテロ細胞の活動は戦闘員のリクルートなどISILに対する支援活動のみならず,実際にモロッコ国内でのテロの実施を企図したものや,外国人戦闘員や未成年からなるテロ細胞も摘発されており,その戦略は多様化してきています。
また,本年1月27日に摘発されたテロ細胞からは夜間赤外照準器付短銃1丁と拳銃7丁を含む火器等が押収されています。 - (3) 2016年10月以降,魚行商人の圧死事件を契機として,モロッコ北東部のリフ地域の都市アル・ホセイマにおいて社会改革を求めるデモが断続的に発生,治安当局との衝突も発生しました。また,本年5月末のデモの主導者の逮捕以降,同人らの釈放を求め,デモが拡大したほか,ラバト,カサブランカやメクネスなど他の地域でもデモが行われました。その後,7月30日の第18回即位記念日におけるモハメッド6世国王による演説や恩赦による逮捕者の釈放等を経て,現況は比較的安定しているものの,事態を注視する必要があります。
- (4) 金銭目当ての犯罪は引き続き発生しています。以前は刃物を見せて金品を脅し取る事案が主流でしたが,最近では実際に凶器で怪我を負わせ,金品を奪う事案が増加傾向にあるため注意が必要です。
2.殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
(1)強盗
邦人被害の事件の発生は認知していません。
(2)殺人
邦人被害の事件の発生は認知していません。
(3)強姦
邦人被害の事件の発生は認知していません。
3.テロ・爆弾事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は認知していません。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害の事件の発生は認知していません。
5.対日感情
対日感情は一般的に良好であり,特段の変化は見られません。
6.日本企業の安全に係わる諸問題
関連情報はありません。