安全対策
モロッコ安全対策情報(定期報告:平成28年7月~9月期)
1.治安情勢及び一般犯罪の傾向
- (1) イラク,シリア及びリビアの紛争地域に渡航したモロッコ国籍者は約1,600名に上り,うち約800名がこれらの地でISILに参加したと言われていることからも,モロッコ当局はモロッコ人帰還兵による国内でのテロの実施を警戒しています。このような状況を受け,2014年11月以降,空港等の主要施設周辺においては,警察に加え,軍もテロ警戒任務に就いています。
- (2) 2015年11月13日に発生したパリ連続テロ事件を踏まえ,モロッコ当局は更に警戒監視態勢を強化し,特に外交団,観光スポット及び国境等の警戒を強めています。また,本年3月22日に発生したブリュッセルにおけるテロ事件を踏まえ,国内の各空港における警戒監視を更に強化しています。
- モロッコ当局によるテロ細胞の摘発は引き続き行われていますが,当国におけるテロ細胞の活動は戦闘員のリクルートなどISILに対する支援活動のみならず,実際にモロッコ国内でのテロの実施を企図したものへと変化してきています。
- (3) 金銭目当ての犯罪は引き続き発生しています。以前は刃物を見せて金品を脅し取る事案が主流でしたが,最近では実際に凶器で怪我を負わせ,金品を奪う事案が増加傾向にあるため注意が必要です。
2.殺人・強盗等凶悪犯罪の事例(邦人被害)
(1)強盗
7月14日(火)午前1時30分頃,アグダル地区のレストランで食事を終えた後,ウカイメデン通り(Rue Jabal Oukaïmeden)を歩いていた際,突然後ろから被害者女性の肩掛けハンドバッグが引ったくられそうになった。しかし,被害者女性がハンドバッグをしっかり保持していたことから,すぐに奪われることなくバッグの取り合いとなったところ,被害者男性が犯人を追い払おうとした。その際に,犯人は所持していたナイフで被害者男性の右手のひらを切りつけ,負傷させた。また,被害者女性も取り合いとなった際に,同ナイフにより右手小指を負傷した。その後,犯人はバッグの強奪を諦め,近くに停車していた黒色のセダンに乗り込み,逃走した(助手席及び運転席にも同乗者がいた)。犯行現場には人通りがあったため,騒ぎを見つけた通行人がすぐに警察に通報した。なお,警察からの連絡によれば,同じ犯人と思われる集団が,同日未明に別の場所で別の女性を襲っていた。
(2)殺人
邦人被害の事件の発生は認知していません。
(3)強姦
邦人被害の事件の発生は認知していません。
3.テロ・爆弾事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は認知していません。
4.誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害の事件の発生は認知していません。
5.対日感情
対日感情は一般的に良好であり,特段の変化は見られません。
6.日本企業の安全に係わる諸問題
関連情報は特にありません。