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安全対策

海外安全対策情報(定期報告:令和元年7月~9月期)

 

1 治安情勢及び一般犯罪の傾向
(1)シリア,イラク及びリビアの紛争地域に渡航したモロッコ国籍者は1,600名以上に上り,うち約800名がこれらの地でISILに参加したと言われていることからもモロッコ当局はモロッコ人帰還兵による国内でのテロの実施を警戒しています。このような状況を受け,2014年11月以降,空港等の主要施設周辺においては,警察に加え,軍もテロ警戒任務に就いています。
2019年3月10日,モロッコ政府はシリアの紛争地帯からモロッコ人8名を本国に帰還させ,今後も同様の取組が行われる可能性があります。
(2)2015年11月13日に発生したパリ連続テロ事件,2016年3月22日に発生したブリュッセルにおけるテロ事件,2017年8月に発生したカタルーニャ自治州における連続テロ事件を踏まえ,モロッコ国内における警戒監視を更に強化し,特に外交団,観光スポット及び国境等の警戒を強めていましたが,2018年12月にオート・アトラス山脈(モロッコ中部)の山岳地帯において北欧からの女性観光客2名がISILに影響を受けた4名に殺害されるテロ事件が発生しました。 
モロッコ当局によるテロ細胞の摘発は引き続き行われていますが,当国におけるテロ細胞の活動は戦闘員のリクルートなどシリアやイラクにおけるISILの活動に対する支援活動から,実際にモロッコ国内でのテロの実施を企図したものに焦点が移っており,その戦略は多様化してきています。
(3) 2016年10月以降,魚行商人の圧死事件を契機として,モロッコ北東部のリフ地域のアルホセイマにおいて社会改革を求めるデモが断続的に発生,治安当局との衝突も発生しました。また,昨年5月末のデモの主導者の逮捕以降,同人らの釈放を求め,デモが拡大したほか,ラバト,カサブランカやメクネスなど他の地域でもデモが行われました。その後,逮捕者の釈放等を経て,比較的安定していたが,2018年6月26日及び同27日にデモの主導者らに下された判決に対する抗議デモが,アルホセイマ及びカサブランカで断続的に発生していることから,事態を注視する必要があります。
また,2017年12月以降,モロッコ北東部のジェラダにおいては,非合法の立抗で石炭を採掘していた鉱夫2名が事故で死亡し,これを機に同市では経済・社会状況の改善を求めるデモが断続的に発生,デモ参加者と治安当局との間で衝突も発生しており,こちらも事態を注視する必要があります。
さらにまた,2019年4月以降,いわゆる「契約教員」と呼ばれている教員が教育省に対し,公務員としての地位を要求するデモが首都ラバトで断続的に発生,デモ参加者と治安当局との間で衝突も発生しています。
(4)金銭目当ての犯罪は引き続き発生しています。以前は刃物を見せて金品を脅し取る事案が主流でありましたが,最近では実際に凶器で怪我を負わせ,金品を奪う事案が増加傾向にあるため注意が必要です。また,邦人が運転中の車両へ侵入し,貴重品を窃盗するという大胆な手口での犯罪報告があり注視する必要があります。
(5)最近のインターネット旅行ガイドサイトAsher & Lyricの調査では,モロッコに女性の単独での旅行はしないよう強く勧められています。モロッコは,女性の単独旅行に危険が伴う10カ国のひとつに数えられ,女性に対する性的暴行及び暴力のリスクがあるため,同伴者なく旅行をする女性にとっては危険です。

 

2 殺人・強盗等凶悪犯罪の事例
(1)強盗
邦人被害の事件の発生は認知していません。
(2)殺人
邦人被害の事件の発生は認知していません。
(3)強制性交等
7月3日午後,20代の邦人女性が単独で旅行中のシャウエンにおいて,「絶景ポイント」を案内すると申し出たモロッコ人男性から,人気のない「絶景ポイント」で性的暴力を受けております。

 

3 テロ・爆弾事件発生状況
管轄内における当該事件の発生は認知していません。

 

4 誘拐・脅迫事件発生状況
邦人被害の事件の発生は認知していません。

 

5 対日感情
対日感情は一般的に良好であり,特段の変化は見られません。

 

6 日本企業の安全に係わる諸問題
関連情報ありません。