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領事情報

モロッコにおける安全対策

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平成25年の邦人犯罪被害事例

在モロッコ日本国大使館領事部
 

12月中に大使館に報告のあった邦人の犯罪被害の件数はで、今年に入ってからの合計は、12月31日現在、18件となっています。

12月までの被害届分析表は、こちら

 

大使館からのコメント!
 

◎「単独」・「人気のないところ」

この2つが最近の被害のキーとなっています。とは言え、複数であっても、人気がないところや、夜間の外出は極力避けるようにしてください。 

◎ 日本人は目立ちます。

モロッコでは東洋人と遭遇する機会は多くありません。それ故に日本人は目立つ存在です。また日本人は「裕福で警戒心が希薄である」とも思われています。犯罪の標的にされやすいことを自覚し、犯罪者に隙を見せない行動をとることに努めてください。

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犯罪事例

 

日時:12月12日(木)19時30分頃 場所:ラバトのホテル・Le Pietri
被害手口:泥棒のための侵入犯(未遂) 被害は無し(女性(30代))

概要:ホテルの外のレストランで夕食中に、「ドアが蹴破られ自分の部屋に泥棒が入った」との連絡を受けた。部屋の扉の鍵は閉めていたものの、泥棒はその扉を突き破り、自分の部屋に侵入を試みた模様。しかし、泥棒がドアを突き破る音に気づいた隣部屋の人が廊下に出て様子を見たため、泥棒は何も盗らずにすぐさま逃げ去った。犯人は隣部屋の人と犯行時に話をしたこと、また、犯行現場がホテルの監視カメラに記録されていたことから犯人像が明らかとなっており、今回の犯行概要につき警察に事情を説明した。なお、自分の部屋に侵入された原因を考えたところ、自分がホテルロビー内で仕事に係るお金を支払っていた現場を犯人又はその犯人の仲間に目撃されたためではないか、と思料している。

大使館からのコメント:
泥棒に遭われたものの何も盗まれなかったことは幸いでした。今回泥棒に遭われた原因は、人目につく所(今回の場合は、ホテルのロビー内)でお金のやりとりをしていたことから、「あの日本人はお金をたくさん持っている。」と犯人又はその犯人の仲間に気づかれたことによるものであると思われます。モロッコに限らず、多くの現金を所持していることを他人に判別されると犯行のターゲットにされますので、同様の犯行に遭われないよう、今後は充分に注意をしてください。

 

日時:12月8日(日)20時頃 場所:ラバトのレストラン
被害手口:詐欺 被害者:男性(20代)・単独

概要:インターネット上のコミュニティーサイトで知り合ったモロッコ人男性とラバト・ビル駅で待ち合わせをしていたが、待ち合わせ時間になってもその男性は現れなかった。待ち合わせ中、現在、日本在住という日本語を話すモロッコ人男性から話しかけられ、「今夜一緒に食事をしよう。食事代は誘った自分が全部払う。」と誘われた。夜の食事の時には、ラバト・ビル駅で待ち合わせをしていた男性も現れ、更に日本語を話すモロッコ人男性の友人というモロッコ人女性も交え、自分とあわせて4名で飲食を共にした。会計の際、日本語を話すモロッコ人男性から、「今、現金を持ち合わせていないので立て替えて欲しい。これから飲みに行くバーでは、自分のクレジットカードで飲み代の全てを支払う。」と言われたので、食事代を立て替え、その後、4人で飲みに行った。バーの会計になると、再度、日本語を話すモロッコ人男性から、「自分のクレジットカードが使えないことに気がついた。申し訳ないが、ここの飲み代も立て替えて欲しい。後で必ず支払うから。」と言われたので、飲み代も立て替えることにした。更に、日本語を話すモロッコ人男性から、「今夜、一緒にいる友人女性とホテルに泊まりたいのだが、クレジットカードが使えないので、ホテル代も立て替えてほしい。」と言われ、ホテル代も立て替えることにした。食事代、飲み代、ホテル代の合計2500DHを立て替え、翌日、立て替えたお金を受け取る約束をして、その夜は別れた。翌日、待ち合わせ場所のホテルに向かったが、集合時間になっても、日本語を話すモロッコ人男性が現れないので電話したところ、「後で払うから。」の一点張りで、一向にお金を渡してくれない状況であった。このことについて、インターネット上のコミュニティーサイトで知り合ったモロッコ人男性に「今回の件について、自分は警察に伝えようと思う。同席していたあなたにも証言してほしい。」とお願いしたが、そのモロッコ人男性からは「証拠も無いので、証言できるか分からない。」と返事され、その後、日本語を話すモロッコ人男性の電話番号も変わってしまい、インターネットで知り合ったモロッコ人男性とも連絡が取れなくなってしまった。友人だと思っていたモロッコ人からお金を騙し取られたことにショックを受けるとともに、2人のモロッコ人男性はグルで自分からお金を騙し取ったのではないかと思料している。

大使館からのコメント:
お金の貸し借りに関しては、日本国内でも同様、原則的に相手が信頼できることを前提で行うべきものと考えます。その場で知り合ったモロッコ人にお金を貸してしまう行為は、ご本人にとっても過失があったものと思われます。多くのモロッコ人はとても親切なので、そんな彼らを疑うのは、日本人にとって後ろめたいことかもしれません。しかし、疑うことは、自らの身を守るための最も基本的な心構えです。モロッコにおける犯罪の多くは、親切を装って私たちの警戒心を解くところから始まります。いつでも心の隅に警戒心を残すようにして下さい。

 

日時:11月2日(土)23時15分頃 場所:カサブランカの路上
被害手口:ひったくり 被害者:女性(30代)・単独

概要:トラム(路面電車)を降りてタクシーを待っていたところ、手提げカバンをひったくられた。ひったくられた際、転倒したため、膝を軽く擦りむくとともに、ふくらはぎが軽く肉離れをしてしまった。カバンには、旅券、現金、クレジットカードが入っていた。現金は分けて所持していたので、今後の行動資金には問題はなかった。また、旅券は後ほど発見され、手元に戻ってきた。

大使館からのコメント:
怪我をしてしまったことは辛いことでしたが、命に関わるような事ではなかったことが幸いでした。また、現金を分けて所持していたことは賢明でした。しかし、旅券などの貴重品は、肌身離さずに保持することが重要です。

夜も遅い時間帯でもあり、単独であったことから、犯人にとって犯行が行いやすい状況だったものと思います。単独の時や人気がないところでは、充分に周りに目を配る等、警戒を怠らないようにしてください。

 

日時:10月19日(土)17時45分頃 場所:カサブランカの路上(Boulevard D'anfaとBoulevard Mouray Youssefの交差点付近のガソリンスタンドの近く)
被害手口:ひったくり 被害者:女性(30代)・複数

概要:日本人男性と二人で並んで、道路に沿った歩道を歩いていたところ、突然、バイクを運転するモロッコ人男性から、首につけていたネックレス2本を引きちぎられ、持ち去られてしまった。バイクの後部座席には、モロッコ人女性も乗っていた。バイクはガソリンスタンドを出て、歩道を横切ってBoulevard D'anfaに出ていく最中での犯行であった。犯行が行われた付近の歩道では、いつも、バイクや車が歩行者のすぐ脇まで近寄って運転する事が多いため、被害者の方は、「今回も、いつもの事だろう」と思っていたところ、いきなり突き飛ばされるようなかたちでネックレスを引きちぎられてしまった。隣を歩いていた男性も、単に「ジャマだから退け」と言わんばかりに突き飛ばしてきただけかと思ったとのことで、それくらい一瞬の出来事であった。ひったくりの後、バイクはすでにBoulevard D'anfaの中央車線にいたので、何もする事ができなかった。被害者の方は、軽く顎をひっ掻かれた程度であり、転倒もすることなく、特に何も怪我はなかった。

大使館からのコメント:
怪我が無かったことが何よりも幸いでした。被害に遭われた方は、いつもの道ではあるものの、バイクや車が歩行者の近くまで寄ってくる状況があることからして、これら車両と接触することがないよう、ある程度車道から離れるようにしながら、気をつけて歩いていたものと思います。しかし、今回の犯行時間は、まだ明るい時間帯でしたし、単独で歩いていたわけでもないにも係わらず、このような状況でも犯行が行われたことから、今後は、時間帯に係わらず充分に用心をして歩く必要があると考えられます。ネックレスなどのアクセサリーは、歩行中は外し、目的地に到着してから付けるということもご検討ください。

 

日時:10月8日(火)20時00分頃 場所:マラケシュの鉄道駅近くの線路沿いの路上(空き地の前)
被害手口:強盗 被害者:女性(30代)・複数

概要:車もバイクも多く通っている道の歩道を、バッグを肘に掛けて歩いていた。数歩前には夫も一緒に歩いていた。空き地の前を通りかかったところ、モロッコ人男性にバッグを触られたと思った瞬間、バッグを強く引っ張られた。その後、犯人のモロッコ人男性は、持っていたナイフで、バッグの柄を切り、バッグを奪って走り去っていった。犯人は2人組であった。バッグの柄を切られる際に、手の平も切られてしまい、数針縫う怪我を負ってしまった。一瞬の出来事であり、同行していた夫もどうすることもできなかった。なお、同行していた夫及び偶然通りかかった警察官は、逃げる犯人たちを追いかけ、犯人たちが隠れた建物まで行き着いた。この際、警察官は、建物内にはもしかすると同様の強盗犯仲間がいる可能性があること及び同様の強盗犯仲間がいる場合、それらの者もナイフを所持している可能性があることから、2人で建物内に侵入することは非常に危険であると判断し、さらに、被害者の方が怪我をされていたことから、建物内に入ってまで更に犯人を追い詰めるのは、諦めることとした。

大使館からのコメント:
人通りも多い場所でありながら、犯人は、おそらく空き地に身を隠して犯行の隙を伺っていたものと思います。怪我を負ってしまったことは辛く悲しいことですが、犯人はナイフを所持していたことから、その怪我が、命に関わるようなものでなかったことが不幸中の幸いでした。今回の件は、羊犠牲際(10月16日及び17日)の前でもあり、もしかすると、羊を購入するためのお金を工面するために行われた犯行かもしれません。強盗に襲われた際は、抵抗をすることで怪我を負う、場合によっては命に関わる危険を伴う可能性がありますので、外出の際は、必要以上の現金は所持しない等、特に羊犠牲祭の前は充分に注意を払って行動をするようにしてください。なお、犯人を必要以上に追い詰めるのは、更なる被害を受ける可能性があります。今回の強盗犯はナイフを所持していたことから、逃げ込んだ建物内には、警察官が考えるとおり、同様にナイフを持つ共犯者が存在していたかもしれません。命があることが何よりも大切ですので、強盗にあって物を盗まれた際は、潔く諦める考えを持つことも必要だと思います。

 

日時:10月5日(土)2時45分頃 場所:ラバトの路上
被害手口:車上荒らし 被害者:女性(50代)

概要:同じ時間帯に自家用車2台が車上荒らしにあった。1台は、自宅前の路上に駐車していた車であり、運転席側の三角窓が割られ、車の鍵が開けられていた。車内を荒らされ、車内にあった電気ドリルが盗まれていた。もう1台は、自宅から30m程離れたところに駐車していた車で、車にカバーをかけていたものの、それを剥がされ、車のドアの鍵穴から鍵を開けられてしまっていた。車内には貴重品は無かったので何も盗まれなかったが、車内を荒らされてしまった。なお、同じ時間帯に、他の車も数台、車上荒らしにあっていた。

大使館からのコメント:
今般の車上荒らしは深夜という時間帯でもあり、また同時に複数の車が狙われた犯行であったことから、その犯行を防ぐのは難しかったものと思います。車内に貴重品などを置いていなかったことは幸いでした。今回の件は、羊犠牲際(10月16日及び17日)の前でもあり、もしかすると、羊を購入するためのお金を工面するために行われた犯行かもしれません。車上荒らしは、車内の外から見える所に貴重品や荷物を置くことで犯行が行われることが多いので、一時的に車から離れる場合であっても、貴重品等は車内に置かないようにしてください。仮に車内に貴重品や荷物を置いて車から離れる場合は、トランクの中や座席の下など、外からは目につかない所に置くようにして下さい。

 

日時:9月18日(水)23時00分頃 場所:マラケシュの路上
被害手口:強盗 被害者:女性(30代)・単独

概要:帰宅のため、マラケシュの自宅の門を開けていたところ、若い男性から呼び止められたので会話をした。会話が終わり、別れ際になると、その男性から、「ナイフをもっているぞ。」と脅され、突然、ショルダーバッグとサブバッグを奪われて、バイクに飛び乗り走り去られてしまった。幸い怪我は無かったものの、バッグ及びバッグに入っていた貴重品を盗まれてしまった。

大使館からのコメント:
怪我が無かったことは何よりのことでした。犯人が会話を行ったのは、犯行を行うために呼び止めたものであり、さらには、隙を伺うそぶりだったものと推測されます。時間帯も23時頃であったことから人通りもあまりなかったものと思われますし、被害に遭われた方が単独であった状況からして、面識の無い者との会話は避けるべきでした。仮に、このような状況下で面識が無い者とどうしても会話をする必要がある場合は、充分用心することが大切であると考えます。本件は、もしかすると被害者の方の行動を予め把握した上での強盗であった可能性もあり得ます。外出する際は、例えば、ルートや時刻を時折変える等、パターン化を避けることも対策の一つです。

 

日時:7月14日(日)17時00分頃 場所:マラケシュのメディナの路上
被害手口:スリ 被害者:女性(20代)・複数

概要:マラケシュのメディナの道を女性2人で歩いていた。肩掛けバッグをかけておりバッグは背中側を向いている状態であった。道の途中で若いモロッコ人男性1人が肩をすり寄せるようにして近寄り話しかけられ、そのまま建物の壁まで押された格好となった。話し終わり、振り向くと若い男性2人が逃げ去っていった。バッグを確認すると中に入れてあったパスポートと財布が盗まれていることに気がついた。話しかけられている間にもう1人のモロッコ人男性がバッグの中身を盗んだものと思われる。幸い現金は分散して持参しており、盗まれた金額はそれ程大きくなかったので今後の行動資金に問題はなかった。

大使館からのコメント:
現金を分けて所持していたことは賢明でしたが、スリは、ちょっとした油断やスキを狙って行われるものです。また今回のように意図的に意識をそらせてから共犯でスリを行う手口もあります。バッグなどは後ろ掛けにするのではなく必ず前掛けとすることも大切です。日本人は目立つことを意識すること、また、今回のように複数で歩いていたとしても、人混みの中では周りに目を配りつつ、旅券などの貴重品は肌身離さずスリなどの手が届きにくいところに保持することが重要と考えます。

 

日時:7月7日(日)10時00分頃 場所:マラケシュ市営バス(No.9)のバス車内
被害手口:スリ 被害者:男性(30代)・単独

概要:マラケシュ駅から乗車した市営バス(No.9)に乗りバス運賃を支払った後、後部座席に移動する際に男性モロッコ人とぶつかった。1~2分後、ウェストポーチが開いていることに気づき、中を確認したところ、旅券が盗まれていることに気がついた。

大使館からのコメント:
スリは、ちょっとした油断やスキを狙って行われるものです。日本人は目立つことを意識すること、また、人混みの中では周りに目を配りつつ、旅券などの貴重品は肌身離さずスリなどの手が届きにくいところに保持することが重要と考えます。日本の大型の雑貨店等では、貴重品を肌身離さず収納するポーチ等が販売されていますので、このようなものを利用することも一案と考えます。

 

日時:6月17日(月)4時30分頃 場所:シェフシャウエンからラバトに向かうバスの車内
被害手口:スリ 被害者:男性(20代)・単独

概要:シェフシャウエンで出会った40代のモロッコ人男性から、自分もバスに乗ってラバトに行くので一緒に向かおうと言われ、そのモロッコ人男性とバスの席に隣同士に座った。また、そのモロッコ人男性の友人ということで経由地のメクネスでフランス人男性がバスに合流してきた。夜行バスでもあったので、バスの車内で仮眠をとり、ラバトに着いてから手持ちバッグの中にあった財布を確かめたところ、財布から現金が抜き取られていることに気がついた。バスに乗っていたモロッコ人とフランス人は、いつの間にかいなくなっていたので、その2人の犯行によりスリに遭ったものと思われる。クレジットカードは別の所に保持していたので、スリの被害には遭わなかったものの、財布にはほとんどの現金を入れており、今後の行動資金確保のため、日本からの海外送金手続きを行った。

大使館からのコメント:
クレジットカードを分けて所持していたことは賢明でしたが、同様に現金も分散させておくべきでした。人を疑うことは、自らの身を守るための最も基本的な心構えです。多くのモロッコ人はとても親切なので、そんな彼らを疑うのは、日本人にとって後ろめたいことかもしれません。しかし、モロッコにおける犯罪の多くは、親切を装って私たちの警戒心を解くところから始まります。いつでも心の隅に警戒心を残すようにして下さい。また、リュックサックや肩掛けバッグなどのファスナーには鍵を取り付ける等、簡単には開かないような対策をとることも大切です。

 

日時:5月15日(水)5時40分頃 場所:マラケシュのモハメッド5世通り
被害手口:ひったくり 被害者:女性(60代)・単独

概要:マラケシュ駅に向かうためモハメッド5世通りを歩いていた。早朝であるため薄暗く、人気もほとんどない状況だった。クトゥビアを過ぎたあたりに犬がいたので、背負っていたリュックサックを道ばたに置き、犬にエサをあげようとしていたところ、後ろから近づいてきた若いモロッコ人男性にリュックサックを持ち去られた。リュックサックを取り返そうと犯人に近づいたところ、首から斜めがけに提げていた貴重品(旅券、すべての現金及びクレジットカード)の入ったバッグのひもを引きちぎられ、リュックサックと共に持ち逃げ去られた。幸い怪我はなかった。

大使館からのコメント:
このケースは、人気のない時間帯を狙ったひったくりです。何よりも怪我をされなかったことが幸いでした。しかし、リュックサックを道ばたに置くという行為が、犯行のターゲットとなった要因と考えられます。現金等を分散して持参しておらず、犯人に近づいたことにより貴重品のすべてを盗まれてしまったことから、その後の行動に大きな支障が生じてしまいました。人気のない時間帯や場所を歩くことは極力避けるべきですが、どうしてもその時間帯等に外出しなくてはならない場合は、周りに目を配り充分警戒するとともに、犯行に狙われやすいような油断やスキを見せる行為は行わないようにしてください。

 

日時:4月28日(日)6時30分頃 場所:マラケシュのバヒア宮殿からジャマエルフナ広場に向かう路上
被害手口:強盗 被害者:男性(20代)・複数

概要:マラケシュのバヒア宮殿からジャマエルフナ広場に向かって3人で歩いていたところ、前から5人組のモロッコ人が近づいてきて金銭を出すようナイフで脅された。抵抗したものの1名が現金2万円相当、もう1名がクレジットカードを盗まれた。犯人ともみ合った際、切り傷を負い病院で手当を受けたが、幸い深い切り傷ではなかった。なお、現金を分散させており、他のクレジットカードも持参していたことから、今後の行動資金に問題はなかった。

大使館からのコメント:
このケースは、人気のない時間帯を狙った強盗です。犯人はナイフを所持しており、抵抗したことから怪我をされてしまいましたが、深い切り傷ではなかったことが幸いでした。また、現金等を分けて所持していたことは賢明なことでした。仮に明るい時間帯であっても人気のない所を歩くことは、極力避けるようにしてください。

 

日時:4月17日(水)20時頃 場所:ラバトのスーパー・マルジャン駐車場
被害手口:車上荒らし 被害者:男性(60代)

概要:マルジャン駐車場の中央部のスーパーから離れた位置(幹線道路寄り)に駐車し、車の後部座席にはパソコンとバッグを置いたまま買い物に行った。買い物から車に戻ると、後部ドアの窓ガラスの一部が壊されており、ドアの鍵が開けられ車内にあったパソコンとバッグが盗まれていた。

大使館からのコメント:
車内の外から見える所に貴重品や荷物を置くことは車上荒らしの要因となります。一時的に車から離れる場合であっても、貴重品等は車内に置かないことが大切です。仮に車内に貴重品や荷物を置いて車から離れる場合は、トランクの中や座席の下など、外からは目につかない所に置くようにして下さい。また、貴重品等をトランクに移動する際には、周りに目を配り、他人の目に付かないよう移動することも大切であると考えます。
また、スーパーなどに駐車する際は、可能であればより人が多く集まる場所に駐車する方が望ましいと思います。

なお、運転中であっても車のドアの鍵及び窓は常に全て閉めておく心がけが大切です(赤信号などの停車中に助手席などに置いてあるバッグや貴重品が盗まれるという被害事例が日本を含め世界各国で報告されているためです)。

 

日時:4月2日(火)11時30分頃 場所:タンジェ旧港
被害手口:スリ 被害者:男性(40代)・複数

概要:タンジェ旧港から車と共にスペインのタリファに渡るため、モロッコの出国手続きを済ませた後、フェリー前に車を停車させ出船準備が整うまで待機していた。待機中、車内から出て車付近を歩いていた。自分の車の近くにはモロッコ人男性1名が立っていた。出船準備が整ったので、車内に戻り、車と共にフェリーに搭乗した後、上着外側のポケットに入れていた財布を確認したところ、財布が無くなっていることに気がついた。ポケットはボタンで閉めることができたものの、この時はボタンを閉めずにいたことから、自分の車近くにいたモロッコ人男性にスリにあった可能性が高い。

大使館からのコメント:
今回の場合、スリにあわれたのか、又は財布を落としてしまったのかは定かではありませんが、ポケットのボタンを閉めていれば財布が無くなる可能性は大きく減ったものと思われます。スリは、ちょっとした油断やスキを狙って行われるものです。また、日本人は目立つことを意識すること、他人とすれ違うような機会がある場合は、貴重品は肌身離さず携行するなど、充分に注意して行動するようにしてください。

 

日時:3月9日(土)12時00分頃 場所:ケニトラの大通り沿道
被害手口:ひったくり 被害者:男性(40代)・複数

概要:ケニトラ市内のスーパーマーケットで買い物した後、2人で大通り沿道を歩いていたところ、背後から近づいてきた1人のモロッコ人男性から買い物をして袋に入れていたお酒を無理矢理奪われた。犯人は大通りを横切って逃げ去っていった。抵抗する、犯人を追うなどの行為はしなかったことから、怪我はなかった。お酒は中身が見えないような色つきの袋に入っていたものの、シルエットからお酒が入っているという目印となりターゲットとなった可能性がある。また、買い物時刻とスーパーへのルートがパターン化していたことから、犯人に察せられた可能性がある。

大使館からのコメント:
抵抗をしなかったこともあり、怪我をされなかったことが幸いでした。昼間であっても、また複数で行動していても犯行に遭う可能性がありますので充分な注意が必要です。例えば、外出する際は、ルートや時刻を時折変える等、パターン化を避けることも対策の一つですし、買い物袋のままではなく、リュックサックなどを利用し、外目からは何を所持しているか分からないようにすることも大切であると考えます。また、可能であれば、徒歩ではなく、車を利用することも一案と考えます。

 

日時:2月3日(日)16時00分頃 場所:マラケシュからカサブランカに向かう電車内
被害手口:スリ 被害者:女性(20代)・単独

概要:カサブランカの駅に到着した際、リュックサックを背負ったまま電車を降りた。電車内は相当な混雑ぶりであった。しばらくしてから、リックサックを確認したところ、ファスナーが開いており、中に入れてあった旅券、現金、カメラが盗まれていた。現金は分散して所持していたため、その後の行動資金には問題はなかった。

大使館からのコメント:
現金を分けて所持していたことは賢明なことでした。人混みの中では、周りに目を配りつつ、リュックサックや肩掛けバッグなどは前掛けにし、ファスナーには鍵を取り付ける等、簡単には開かないような対策をとることも大切です。旅券などの貴重品は、肌身離さずスリなどの手が届きにくいところに保持することも重要と考えます。日本の大型の雑貨店等では、貴重品を肌身離さず収納するポーチ等が販売されていますので,このようなものを利用することも一案と考えます。

 

日時:1月4日(金)17時00分頃 場所:カサブランカの路上
被害手口:ひったくり 被害者:女性(30代)・単独

概要:カサポート駅近くの路上を歩行中、後方からバイクに乗ったモロッコ人男性2人組が近づいてきて、両手で持っていたバッグをひったくられた。怪我はなかったものの、バッグには旅券、現金、クレジットカード、携帯電話など、すべての貴重品が入っていた。

大使館からのコメント:
怪我が無かったことが幸いでしたが、旅券を携行する場合は肌身離さず所持すること、現金は分散して持参する等、もしもひったくりやスリに遭った場合でも、その後の行動資金等に問題がないような対処をしていただくことが重要です。事件に巻き込まれた際は、怪我がないこと、命を守ることが何よりも大切ですので、仮にひったくり等に遭ってしまった場合でも無駄な抵抗は避けて下さい。そのためにも、現金などを分散して所持することが肝要ですし、今回の場合であれば、バッグはできるだけ路上側には向けないなどの対処も有効であると思います。

 

日時:1月28日(月)22時~23時の間 場所:フェズからラバトに向かう電車内
被害手口:スリ 被害者:男性(20代)・単独

概要:観光中、ボルビリス遺跡を案内してくれたモロッコ人男性と出会った。今後の旅行の予定として、マラケシュに行った後、メルズーガに行く予定であったが、モロッコ人男性から「自分がメルズーガの案内を引き受ける。フェズからマラケシュへの経由地に、ラバトがあるが、そこに親戚がいるので紹介したい。一緒に電車に乗って行こう。」と誘われ、誘われるままに、電車に乗ってフェズからラバトへ向かった。乗車中、男性はトイレのため何度か席を立ち、席に戻ってくることを繰り返していたが、ラバト手前の駅で席を立ったまま戻らず結局その後、会うことができなかった。それからしばらくしてからバッグの中を見たところ、現金の入った財布、腕時計、銀の指輪が盗まれていることに気づいた。

大使館からのコメント:
疑うことは、自らの身を守るための最も基本的な心構えです。多くのモロッコ人はとても親切なので、そんな彼らを疑うのは、日本人にとって後ろめたいことかもしれません。しかし、モロッコにおける犯罪の多くは、親切を装って私たちの警戒心を解くところから始まります。いつでも心の隅に警戒心を残すようにして下さい。

なお、モロッコではモロッコ政府が認めた「公認ガイド」以外、ガイドを行ってはならない規則となっています。公認ガイドは、「ガイド登録番号」と「自分の氏名」が書かれた証明書を常に外から見える形で携帯しています。観光地の主要ホテルで言語別の公認ガイドを雇うことも可能です。自称ガイドと名乗る悪質な非公認ガイドもいますので、注意をしてください。

 

 

平成25年12月の被害届分析表

○ 被害手口 12月 累計
強盗 0 3
ひったくり 0 5
スリ 0 6
置引き 0 0
侵入盗(空き巣等) 1 1
詐欺 1 1
その他の手口 0 2
合計 2 18
○ 発生場所 12月 累計
路上 0 9
電車・バス・車等 0 5
メディナ 0 1
駅・空港等 0 1
ホテル 1 1
レストラン 1 1
その他の場所・不明 0 0
合計 2 18
○ 事件発生時間帯 12月 累計
 0時台~5時台 0 3
 6時台~9時台 0 1
10時台~13時台 0 3
14時台~17時台 0 4
18時台~21時台 2 4
22時台~23時台 0 3
不明 0 0
合計 2 18
○ 性別区分 12月 累計
男性 1 8
女性 1 10
合計 2 18
○ 平日・休日の別 12月 累計
平日(月~金) 1 9
土日・祝祭日 1 9
不明 0 0
合計 2 18
○ 事件発生曜日 12月 累計
月曜日 0 2
火曜日 0 2
水曜日 0 3
木曜日 1 1
金曜日 0 1
土曜日 0 4
日曜日 1 5
不明 0 0
合計 2 18
○ 年代 12月 累計
20歳未満 0 0
20代 1 6
30代 1 7
40代 0 2
50代 0 1
60代 0 2
70代以上 0 0
不明 0 0
合計 2 18

○ 月別発生件数(平成25年)

平成25年 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 合計
2 1 1 3 1 1 2 0 1 3 1 2 18