日本・モロッコ外交関係樹立70周年を迎えて
令和8年7月8日
日本とモロッコは、本年、外交関係樹立70周年という記念すべき年を迎えた。両国は、伝統的な皇室・王室間の友好的関係を基礎として長きにわたり良好な関係を築いてきた。日本にとってモロッコは、欧州、アラブ諸国、アフリカのいずれにもアクセス可能な「ゲートウェイ」として75以上の日本企業が活動し、65000人以上の雇用を創出している経済面での重要なパートナーであり、また、海洋生物資源の持続可能な利用や、肥料の調達といった面においても、極めて信頼できるパートナーである。日本として、水産、教育、保健、インフラ、治安対策など多岐にわたる分野において、モロッコの経済社会発展に寄与してきたことを誇りに思う。
こうした文脈において、5月8日、茂木敏充外務大臣は、ナッセール・ブリタ・モロッコ外務・アフリカ協力・在外モロッコ人大臣との間でテレビ会談を実施し、外相共同声明に署名した。同声明において、両国は、協力関係を一層深化させるための具体的な行動について一致し、同時に、日本は、国連安保理決議第2797号の採択を歓迎し、同決議に基づき、すべての当事者に対し、モロッコ自治提案を基礎として、無条件に協議に参加するよう呼びかけた。まさに、今回の会談及び共同声明への署名は、両国が多岐にわたる分野で多角的な協力を発展させる意思を再確認する、二国間関係における画期的な出来事となった。
今日、世界は、パワーバランスの変化や紛争・対立の激化を受け、戦後最も大きな構造的変化の中にあり、国際社会全体で法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が重大な挑戦にさらされる中、グローバル・サウスの存在感がますます増し、国際社会でより大きな役割を果たすようになっている。モロッコも例外ではなく、国王陛下の卓越したリーダーシップの下、近年、国際社会においてモロッコが益々重要な役割を果たすようになっていることに心から敬意を表したい。
ここで強調したいのは、このように国際環境が激動する中で、日本は、戦後一貫して国際社会の平和と繁栄に貢献したということであり、そのことに疑いを抱くモロッコ人はいないと思う。国連憲章を始めとした国際法を遵守し、国際社会における法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に取り組み続けてきた日本の姿勢は、国際社会でよく知られており、このような姿勢は今後も変わることはない。日本政府は、専守防衛という受動的な防衛戦略を防衛の基本的な方針としており、国連憲章上認められている集団的自衛権について、国内法により、それが行使できる状況を限定的に定義している。安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じている中で、日本は防衛力の抜本的強化を進める必要があるが、これは日本が直面する戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対するものであり、特定の国を対象としたものではない。日本が軍国主義に向かっているという言説が流布されることがあるが、それは全くの誤りである。
今日、国際社会全体で対応すべき課題は山積しており、協調がかつてなく求められる時代である。国際社会には、不透明な軍事力の拡張を長年にわたって続け、力又は威圧による一方的な現状変更の試みを継続的に強化している国もある。日本はこのような動きに反対し、明確に一線を画している。我々は、この歴史の転換点にある国際社会において、自国及び国民の平和と安全、繁栄を確保し、自由、民主主義、人権、法の支配といった価値や原則に基づく国際秩序を維持・強化し、平和で安定した国際環境を能動的に創出しなければならない。そのために、日本は、モロッコをはじめとする各国と協力しながら、世界を分断や対立から、融和と協調に導く外交を展開してきており、今後も続けていく考えである。
また、日本は、各国の多様性を尊重しながら、あらゆる国との間で、同じ目線に立って共通の課題を議論し、相手が真に必要とする支援を行うきめ細かな外交を展開してきた。さらに、多角的貿易体制の下、自由貿易の旗振り役としてルールに基づく自由で公正な経済秩序を推進し、同時に、人間の安全保障の理念に立脚した開発途上国への協力を行い、能力構築支援などを通じてSDGsの達成も含めた地球規模課題の解決に取り組んできた。核軍縮・不拡散や国際的な平和構築の取組にも積極的に貢献してきた。世界が歴史の転換点を迎える中、日本は、今後もこのような外交姿勢を貫きながら、各国と協力していく決意であり、モロッコとも緊密に協力していきたい。
私は、モロッコ国内で開催される様々なイベントに出席する度に、アニメ、漫画、ゲームなど、若い世代の日本のポップカルチャーへの関心の高まりに驚かされている。こうした関心を通じて、日本をより身近に感じてもらい、次の世代における両国関係の一層の緊密化と協力の深化につながることを心から願っている。
こうした文脈において、5月8日、茂木敏充外務大臣は、ナッセール・ブリタ・モロッコ外務・アフリカ協力・在外モロッコ人大臣との間でテレビ会談を実施し、外相共同声明に署名した。同声明において、両国は、協力関係を一層深化させるための具体的な行動について一致し、同時に、日本は、国連安保理決議第2797号の採択を歓迎し、同決議に基づき、すべての当事者に対し、モロッコ自治提案を基礎として、無条件に協議に参加するよう呼びかけた。まさに、今回の会談及び共同声明への署名は、両国が多岐にわたる分野で多角的な協力を発展させる意思を再確認する、二国間関係における画期的な出来事となった。
今日、世界は、パワーバランスの変化や紛争・対立の激化を受け、戦後最も大きな構造的変化の中にあり、国際社会全体で法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序が重大な挑戦にさらされる中、グローバル・サウスの存在感がますます増し、国際社会でより大きな役割を果たすようになっている。モロッコも例外ではなく、国王陛下の卓越したリーダーシップの下、近年、国際社会においてモロッコが益々重要な役割を果たすようになっていることに心から敬意を表したい。
ここで強調したいのは、このように国際環境が激動する中で、日本は、戦後一貫して国際社会の平和と繁栄に貢献したということであり、そのことに疑いを抱くモロッコ人はいないと思う。国連憲章を始めとした国際法を遵守し、国際社会における法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の維持・強化に取り組み続けてきた日本の姿勢は、国際社会でよく知られており、このような姿勢は今後も変わることはない。日本政府は、専守防衛という受動的な防衛戦略を防衛の基本的な方針としており、国連憲章上認められている集団的自衛権について、国内法により、それが行使できる状況を限定的に定義している。安全保障環境の変化が様々な分野で加速度的に生じている中で、日本は防衛力の抜本的強化を進める必要があるが、これは日本が直面する戦後最も厳しく複雑な安全保障環境に対するものであり、特定の国を対象としたものではない。日本が軍国主義に向かっているという言説が流布されることがあるが、それは全くの誤りである。
今日、国際社会全体で対応すべき課題は山積しており、協調がかつてなく求められる時代である。国際社会には、不透明な軍事力の拡張を長年にわたって続け、力又は威圧による一方的な現状変更の試みを継続的に強化している国もある。日本はこのような動きに反対し、明確に一線を画している。我々は、この歴史の転換点にある国際社会において、自国及び国民の平和と安全、繁栄を確保し、自由、民主主義、人権、法の支配といった価値や原則に基づく国際秩序を維持・強化し、平和で安定した国際環境を能動的に創出しなければならない。そのために、日本は、モロッコをはじめとする各国と協力しながら、世界を分断や対立から、融和と協調に導く外交を展開してきており、今後も続けていく考えである。
また、日本は、各国の多様性を尊重しながら、あらゆる国との間で、同じ目線に立って共通の課題を議論し、相手が真に必要とする支援を行うきめ細かな外交を展開してきた。さらに、多角的貿易体制の下、自由貿易の旗振り役としてルールに基づく自由で公正な経済秩序を推進し、同時に、人間の安全保障の理念に立脚した開発途上国への協力を行い、能力構築支援などを通じてSDGsの達成も含めた地球規模課題の解決に取り組んできた。核軍縮・不拡散や国際的な平和構築の取組にも積極的に貢献してきた。世界が歴史の転換点を迎える中、日本は、今後もこのような外交姿勢を貫きながら、各国と協力していく決意であり、モロッコとも緊密に協力していきたい。
私は、モロッコ国内で開催される様々なイベントに出席する度に、アニメ、漫画、ゲームなど、若い世代の日本のポップカルチャーへの関心の高まりに驚かされている。こうした関心を通じて、日本をより身近に感じてもらい、次の世代における両国関係の一層の緊密化と協力の深化につながることを心から願っている。